ショートカット専門美容院のアガペーには、他店で失敗されたヘアスタイルを直したいという理由でいらっしゃるお客様が大変多いです。
うちはカウンセリングに長く時間を割いておりますので、お客様からのお話にいろいろな共通点があることに気付きます。
皆さま、失敗のされ方はバラバラなのですが、あることが共通しているのです。
それは何かというと、バッサリ切る時に行きつけの美容院ではなく
「初めていく美容院でイメチェンをした」
ということです。
実は、皆さまイメチェンする時には美容院を変えてます。
これは個人的には意外だったのですが、よくよく考えてみると腑に落ちます。
というのもさまざまな理由があってショートにイメチェンしたくなる訳ですが、その後の行動パターンは割と似てます。
ショートにしたい!
→インスタなどでショートヘアを物色
→「あ、これ可愛い」という写真を見つけ
→その写真を持って、何故か行ったことない美容室へ予約
→そして失敗・・・
このパターンめちゃくちゃ多いです。
このパターンの失敗要因を解説しましょう。
まず、インスタの写真は基本、どれも奇跡の一枚を載せている思って下さい。
そして、顔や骨格などの素材も良ければ、髪質も超優秀です。
写真映えするモデルを起用している時点で何もかも条件が違うのです。
そのような写真が可愛いのは当たり前。
髪型というより、あらゆる条件が優秀な「雰囲気全体」が可愛かったりするので、お客様がそもそもそこを理解していないケースが多いです。
例えば、黒髪の前下がりボブの写真を見つけて、それにしたいとします。
写真で見るモデルの顔はフェミニンで可愛らしい感じです。
そこに、ちょいクールで格好良くなりがちな黒髪の前下がりボブが合わさり、バランスが取れているというケースです。
当然ながら、顔の雰囲気は人によって違います。
その黒髪の前下がりボブをそのまま合わせるとハードになり過ぎるという人もいます。
似合うというのは、あくまでその人個人の素材とのバランス感覚が大切です。
しかし、プロでもないお客様が、そこまで理解して写真を見極めることは難しいと思います。
そこに落とし穴が一つあります。
そして、最大の失敗要因は、イメチェンに「なんとなく探した美容院へ行く」ことではないでしょうか?
これはもう皆さん共通してる失敗ケースです。
ではなぜこのケースに失敗が起きやすいのか?
それは、お客様側としては
「特に理由もなく探した美容室にお願いするリスク」と、
美容師からしても
「初めてのお客様の髪ってものすごく難しいという理由」
が絡み合ってます。
共通しているのがお互いに情報量が少ないということです。
何となく行き着いた美容師よりも、普段お願いしている美容師の方がまだ失敗リスクは小さいと思います。
それはある程度お互いに情報が蓄積されているからです。
お客様の方からしても、ある程度信頼しているし、
逆に美容師の方からしても何度かお客様の髪の毛を扱っていれば、あらゆる特徴を把握しているからです。
美容師的に、初めて切るお客様の髪は、わからないことだらけです。
・どんな癖が出るのか?
・濡れている時と乾いた時の違いはどのぐらいでるか?
・生え癖によるシルエットへの影響は?
など切らなければ分からない情報ってとても多いのです。
なので、正直に言うと実際には新規のお客様の場合、1回目より2回目の方が出来がいいことも多々あります。
それは情報量があらかじめあった方が、よりよいカット方法を出せるからです。
こんなこと言うと、美容師なら初回から100点を出しなさい、と言われそうですが、そう簡単な話ではないのです。
なので、初回の美容院でのイメチェンは余程の情報量や評判がないと辞めた方がいいと思います。
ちなみに、
インスタで専門特化している美容師さんの中にはアカウントの特徴を出すために、専門特化している風
のアカウントにしているケースも多いです。
もちろん本当に評判が高い方もいますが、そこまで経験もないのにショート自慢している美容師さんは注意が必要かと思います。