まずそもそものショートボブの失敗例を見ていきましょう。
ショートカット専門の美容院をやっていると、他店で失敗されたショートボブのお直しをして欲しいというご来店が多いです。
そんな方々を見ていると、失敗にもそんなに種類が多いわけではないことに気が付きます。
大きくまとめるとこちらの3つです。
①カットラインの問題(ガタガタ、左右で長さが違うなど)
②シルエットがイマイチ(前から見たシルエットや、バックのシルエットなど)
③お客様のイメージとの相違(前髪の作り方や、毛先のニュアンスなど)
細かく言うともっとありますが、大体このどれかに当てはまります。
では、それぞれの失敗例を詳しく見ていきましょう。
①カットラインの問題
こちらは完全に美容師の腕の問題なのですが・・・
カットのラインがガタガタだったり、左右で長さが違ったりというのは意外と多いものです。
しかもこれについてはお客様もすぐに気が付く点です。
美容室帰りはスタイリングが上手くされているので、あまり気にならなかったけど、家に帰って自分でスタイリングしてみたら「なにこれ・・・?」というケースは結構あります。
そしてこの大きな原因は美容師がカットの際に左右でくせの違う髪の毛を把握できていないという事が挙げられます。
例えば、引っ張ってみたら長さが同じでも、落ちたときに長さが違うという事は頻繁にあります。
人の髪の毛はくせの出方や生え癖の方向が左右均等ではありません。
「左は割とまっすぐだけど、右は結構うねる」とか
「生え癖の方向が左右で違う」
こうなると、髪の毛そのものの長さが同じでも、落ちたときに長さが違うという失敗が起きます。
お客様の立場で言うと、「そんなことぐらい美容師なら把握して当然」と思ってしまうものでしょうが、この失敗は意外と多いのです。
ガタガタのカットラインでも、 左右の長さが違う場合であっても、 美容院にお直しに来てもらえればすぐに直せます。
別の美容院へ行くとコストはかかりますが、修復不可能ではありませんのでご安心ください。
②シルエットがイマイチ(前から見たシルエットや、バックのシルエットなど)
続いては、シルエットの問題です。
実はこちら、お客様が気付くというより本来カットラインのお直しに来たにもかかわらず、よく見ると「シルエットが変だなあ」と美容師が気付くパターンが多いです。
特にバックのシルエットって自分ではなかなか気付きづらいものです。
ウエイト(バックの膨らみ)がベストな位置より下にあったり、上にあったり・・・
本来のウエイトの場所はお客様の頭の形に応じて位置を決めるものなのですが、それが上手くいっていないケースですね。
ショートボブの場合、バックのウエイトの位置次第で、
「野暮ったく」なったり
「おばさんっぽく」老けて見えたりします。
自分で気づかないからこそ怖い部分です。
一度合わせ鏡をして、確認してみて下さい。
ショートボブの理想はこのように、横から見た時にひし形の形が出来ています。
③お客様のイメージとの相違(前髪の作り方や、毛先のニュアンスなど)
3つ目はイメージの相違という事で、これが一番幅が広いです。
イメージが違うというのは、スタイル自体が変でなくてもお客様の希望イメージと違うという事ですから、カウンセリングやイメージの確認や認識が甘かったという事です。
特に多いのが前髪の作り方と毛先のニュアンス。
前髪は顔の形に対して、上手くカバー出来ていなかったり、イメージより短く切られたなど。
毛先のニュアンスとは、自然に馴染むようにして欲しかったのにバツンっと揃えられていたり・・・
お客様がイメージを伝える際に見せた写真では、内巻きのスタイリングにされていてけど、実は長さのイメージを伝えたかっただけで、内巻きは望んでいなかったり・・・
このようにイメージの相違は得てしてよく起こるものです。
問題は何と言っても、お客様と美容師のイメージ共有が出来ていないことです。
カウンセリングが極端に短い美容師ってたまにいませんか?
それでイメージ通りのヘアスタイルを作ってくれるなら何も言いませんが、それで失敗されたらたまったもんじゃないですよね。
イメージ通りヘアスタイルを作ってくれる美容師に限ってカット中も「先ほどのお写真もう一度見せてもらってもいですか?」と聞いてきたりします。
またお客様の方でも、細かい部分までこだわりがあるなら伝えましょう。
「前髪のこの部分が写真と同じがいい」
「逆にこの部分は自分に似合わせて欲しい」
などカウンセリングはとても大事です。
是非時間をいっぱい使ってイメージをよりクリアに伝えましょう。